クスクス…
しおりちゃんの愛情が足りないから、おにいちゃん…風邪引いちゃった。……何か用かな、さおりちゃん。別に…。
おにいちゃんが、とっても、とっても可哀想って思っただけよ。
どーせ、ちゃんと暖かくしてあげなかったんでしょ、しおりちゃん?そ、そんなことないですよ、さおりさ……ちゃん。
(あ、危なかった…)
そんなことないよ、さおりちゃん。
わたしと、お兄ちゃんはね、とっても強い絆で結ばれてるもん。
夜も…こうして抱きしめてるんだよ、さおりちゃん。ギュッ…!ん…んん……
(はぅ、しおりちゃんに抱きしめてもらえてる…
ドキドキ…)
でも、心も抱きしめてあげられてるのかしら?うん、そうだよ、さおりちゃん。
悪いけど…お兄ちゃんはね、わたしだけのモノ。
だから、さおりちゃんが入る余地はないんだよ?クスッ…。
まぁいいわ、しおりちゃん。
勝手に言っていればいいわ。
おにいちゃんは、いつの日か…
耐え切れなくなって、あたしの足を舐めることになるわ。
その日こそ、おにいちゃんが本当に幸せになれる日なんだから…パタパタパタ…あっ…
(さおり様…言いたいこと言って、どこかに行っちゃった…)
……さおりちゃん、変になってきちゃったね。
大丈夫かな…だ、大丈夫だと思うよ、しおりちゃん…。
(さおり様が、あの表情をするのは、今に始まったことじゃなくて…
たまーに嫉妬してるときは、あぁなってたもんなぁ…
でも、しおりちゃんの前でするのは初めてなのかも)
まぁ、いいや。
さおりちゃんだし。
…そんなことよりも、お兄ちゃん。
風邪みたいだけど、大丈夫かな…?あ…う、うん…2358a