名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「へぇ…。
ミルティアナの物資が幻想郷に密輸されているのかぁ…」
こっそりと記者を通して入手している『文々。新聞』を読みながら、ぽつりと呟く。
記事には、どこで入手したのかは知らないが、ミルティアナ共和国の
マークが描かれたT34/76戦車の写真が載せられていた。
テーブルに置かれたカップを手に取り、そっといれたてのコーヒーを口にする。
「今日はなにしようか…」
ほろ苦いコーヒーの味を楽しみながら、今日という日を
いかにして過ごすかを、ゆっくりと考える。
今日は僕にとって、とても平和な一日になるだろう。
さおり様は、観蘇国境地帯にて発生した、例の紛争問題を解決するためにプラハへと出かけている。
しおり様は、さおり様が執り行っていた業務を
こなすために、党本部に籠もらないといけないらしい。
つまり今日の僕は、少しもの寂しさがあれど自由を保障されたようなものなのだ。
「犬君~!
今日も来ちゃったよ♪」
僕が普段過ごす、この犬小屋に来るお嬢様たちは、決まってノックをせずに
小屋の扉を開けて中に入ってくるのだ。
その例に漏れることなく、リグルも明るい声とともに、犬小屋の中へと入ってく
る。
それを咎める権利は、もちろん僕にはない。


…1304a
体を食べられて…