犬さん！
話はもう聞いてるよね？

えっと、その…
別世界を見つけた…っていう話ですか？
(なんか、聞いたような、聞かなかったような…)

そう、それだよ。
悪いけど犬さんには、その世界への偵察任務と、状況に応じて工作活動をしてもらうよ。
向こうの世界だから関係ない…といえばそうなんだけど、まいなが胸糞悪いからね。

は、はぁ…
(なんだか、やっかいなことになりそうだなぁ…)

向こうの世界だと、オス犬が女の子を支配してるみたいだよ。
まいなが悪い奴らを踏み潰して、女の子を解放してあげたいけど…
そうはいかないからね…

大人の事情…ってやつですね。

もっと正確にいうと、党の事情ってやつだけどね。
あと、向こうに行くためのゲートが、とっても小さいから…。
戦車一台すらも通れないから、もうどうしようもないよ。
かといって、これを放置するわけにもいかないから…

そこで、オス犬の僕が向こうに行って、現地の様子を詳しくみたり、状況に応じて工作活動をする…と、いうわけですね。
(なんだか大変そうだなぁ…)

そう、そういうことだよ、犬さん！
ゲートまでは、まいなが案内するから安心してね。
ゲートをくぐると、向こうの世界のプラハ城付近にある、小さな森の中にある洞窟内に出ると思うよ。

は、はぁ…
(思う…ですか…)

現地に着いたら、情報収集をお願いするね、犬さん。
向こう側がどうなってるかは、殆ど不明だから…
どんな情報を優先するかなどは、犬さんの現場での判断に全てを委ねるよ。

は、はい…
(委ねられても…
大丈夫かなぁ…)

それじゃあ、偽装用に服を着て、さっそく任務にあたってね、犬さん！
幸運を祈ってるよ！