「クズ犬…聞いたわよね?
子作りをした後は、貴方を三人で食べることになるけど…
いいかしら?」
真剣な表情で、クズ犬に聞きます。
この決断が、クズ犬の人生を大きく左右することは間違いないからです。
「…もちろんです、かおり様。
かおり様のお役に立てることは、とても光栄なのですから。
その…僕を選んでくれて、本当にありがとうございます、かおり様…」
クズ犬は、どことなく恥ずかしそうな表情で答えました。
「礼を言うのは、あたしたちの方よ。
ありがとうね、クズ犬」
かおり様は、そっとクズ犬に口づけをします。
このとき、家の中の時計が低く独特な音を立てて、日付が変わったことを伝えてくれました。
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