「さぁ、会議を始めさせてもらうわ」
会議は順調に進み、様々なことが決められていきます。
まず、ロシア社会民主党ボルシェビキ派への対応。
これに対しては「主権を維持しつつ、積極的に連携すべし」との意見により、方向性が纏まりました。
それと関わる形で、チェコ社会民主党への内部工作も急いで行われることとなります。
ロシア社会民主党とチェコ社会民主党には接点があり、より強固な関係を築かれてしまうと我々に
とって大きな損失となる可能性があるからです。
このことに関して、声を上げたのはヘレナ様でした。
ヘレナ様はチェコ社会民主党への工作活動も積極的に行っていたため、多くの情報を一次情報として
握っており、その重要性を誰よりも正確に認識していたからです。
ヘレナ様は最終目標として、1915年までにチェコ社会民主党を
黒色の薔薇戦線の傀儡とすることを提案し、具体的な方策を示した後、それは可決されました。
このような提案と、その必要性、課題への対策、部署の維持費などを計算しながら、予算は組み込まれていくのです。
更にヘレナ様は、組織の防諜体制の改善を訴え、今日言われている情報セキュリティの先駆けとも言えるマニュアルを提出しました。
これは非常に重要なことで、すぐさま必要な経費が約束されました。
こうして初日の会議が終わり、残りの議題は翌日以降へと持ち越されました。
第二章の目次に戻る