「はい、お口あーん…♪」
もう既に、彼の口を開けさせているのですが、かおり様もまた、快楽に浸っているために、不必要な命令を出してしまったようです。
「んんん……♪」
かおり様は、お口の中をくちゅくちゅと鳴らすと、静かに唾を彼の口の中へと垂らしました。
彼には、もはや自分が何をされているかということを理解できません。
彼が感じられる幸福というメーターは、とっくの昔に上限を超えて、壊れてしまっているからです。
「んふっ…♪
しっかりと、味わってから飲みなさいよ、クズ犬♪」
かおり様は、彼の口を開けさせたのとは逆の手順で、彼の口を閉じさせます。
そして、まるで死人を取り扱うかのように、彼の恍惚とした表情のまま開き固まっている眼瞼の上に手を置き、そっと目を閉じさせました。
彼は、幸せのあまりに、目を見開いたまま気絶をしていたのです。
そして、かおり様は自分の局部に手をあてて、快楽の続きを味わったのでした。
その後、ひとしきり快楽を味わった後、黙々と魔術書を読み進めたようです。
彼が、服従の証である、かおり様の唾を飲み込むのは、この事から約五時間後のことだそうで、そのときの
彼の喜びというものは、きっと、尋常なものではなかったことでしょう。
なぜならば、彼はこの日、かおり様の犬として正式に認められたのですから。
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