「あっ!
かおりちゃん!」
やはり、れおな様でした。
どうしてなのかは分かりませんが、緑の上下のパジャマを着たまま、ブンブンと右手を大きく振り、かおり様に
ここだよーと、自分の存在をアピールしています。
かおり様は少し呆れながらも、どこかホッとした様子で、れおな様を強く抱きしめて歓迎します。
薄い紫色のロングヘアーと、ほっそりとした体から、長旅の後とは思えないような甘い香りが漂っています。
「…れおなちゃん、途中で寄り道してたでしょ?」
ちょっぴり意地悪をするように、れおな様へと、かおり様は聞きました。
「てへへ…
バレちゃったかな♪」
れおな様は、舌を出しながら照れくさそうに言いました。
「もう…心配したんだから!」
かおり様は、れおな様を再び強く抱きしめます。
村の人々は、観月家に続き、朝倉家の帰還をとても喜びました。
村の人々はこう言います。
「後は、なおみ様のご到着を待つだけね!
あぁ、待ち遠しいわ!」
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