ドアを開けると、馬に跨った、なおみ様の凛々しいお姿がありました。
黄色のタンクトップに、紺のホットパンツ、黒のニーソックスに白い運動靴…
そして、薄茶色の長い髪をツインテールで編んだ姿、これぞまさしく、かおり様が普段から
見慣れてきていた、なおみ様の姿そのものでした。
「遅れてごめん!」
なおみ様は馬から飛び降りると、二人のもとへと駆け寄りました。
村の人々は、待ちに待った瞬間を迎えた嬉しさのあまりに、万歳三唱をはじめます。
「もう…何があったのよ、なおみちゃんらしくないわ」
そう言いながら、かおり様は、なおみ様を抱きしめて迎えます。
「少し、ゴタゴタに巻き込まれてたんだ」
なおみ様は、遅れてきた理由を説明します。
なおみ様は、出発の準備を万全なものにするため、かおり様よりも一日出発が遅れることとなりました。
余りにも急なことだったため、なおみ様はその場で、かおり様に先に行っててくれとお願いします。
かおり様は、れおな様が遅れていることもあるし、出発を後日に改めることを考えますが、なおみ様は
チケット代が無駄になってしまうことを嫌い、かおり様を説得しました。
こうして、かおり様だけが、先に現地入りを果たすこととなったのです。
二日後、なおみ様は港へと向かいますが、何やら事件が起きていたようで、乗船することが出来ず、更にもう二日
足止めをされることとなってしまったのです。
次のページヘ26b