かおり様は、先に読み上げた八項目の内、上から順に一つずつ提案をしていきます。
「まずはじめに、みおり様が理想とした国家樹立のためには、武力も辞さぬ覚悟で女王主義革命を
起こす必要があるわ。
いま、バルカン半島をはじめとして、欧州は激動の時代に突入してるのは知ってるわよね。
少し、思い出して欲しいわ。
この国、オーストリア・ハンガリー帝国で起きていることを。
ブルガリア、オスマン、ギリシャ、セルビアで起きていることを。
そして、世界で起きていることを。
あたし達が信じる、みおり様の理想を実現した国はあるかしら?」
村民達は次々と「ないぞ!」と声を上げました。
かおり様は、粛々と話を続けます。
「みおり様は、こう言ったわ。
『世界を、戦争もなく平和で、平等で、幸せに暮せる世の中にするためには、賢明なる少女たちによって
国家を運営し、多くの良き少女達を導く必要がある』と。
もう一度、世界を振り返って欲しいわ。
今、銃を手に取っているのは誰かしら?
誤った経済学によって被害を受けているのは?
そして、その経済学を主導し、経済界を指導しているのは?
これらは全て、腐りきったオス犬どもによる指導よ。
この腐りきったオス犬どもが、人類の歴史がはじまって以来、延々と多くの悲劇を生む
戦争行為を働き、家を壊し、女性は奴隷として売られ、全ての生活が破壊されていったのよ。
そして今、また新たな戦争が確実に始まろうとしているわ。
これを看過し、何も策を練らず、ただ指を咥えているだけではダメよ。
こんなことで、みおり様の理想が実現されるはずはないわ!
あたし達は、武力をも辞さぬ覚悟を持って、みおり様が想い描いた、完全なる平和と平等の国家『ミルティアナ』を
樹立しなくてはならないわ!」
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