名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

さおり様は話を続けます。
「次は、革命の主軸を担う組織『黒色の薔薇戦線』の設立についてよ。
この黒色の薔薇戦線は、いわばミルティアナの心臓部であり、頭脳であって、単なる実力行使部隊じゃなく、政府と軍隊が
一体化したものだと考えて欲しいわ。
あたしはこの、全ての力を有した黒色の薔薇戦線を設立して、指導者として組織を引っ張っていきたいと思うけど、どうかしら?」
ここに、かおり様の意図が組まれていました。
かおり様は幼少期から活発な少女として名を馳せていて、常に行動をしていないと気が済まないタイプのお嬢様です。
そのため、例え責任のある立場にあろうとも、共に戦う仲間たちの傍にいたいと考えているのです。
そして、来るべき戦いのときに備え、自らが組織の指導者としてのみでなく、一人の前線指揮官として前線に立つために、その
権限を有する立場の人間、すなわち軍事組織のトップも兼任しやすくしたのです。
この意図に誰ひとりとして気付くものはおらず、このことについても異論は出ませんでした。
そしてそれは、今現在もミルティアナ女王党に受け継がれ、後にお生まれになられる観月さおり様の権限としても
受け継がれているのです。
村民や、村長、二人のお嬢様から同意の声が聞こえると、ここではじめて、かおり様は少し満足気な表情を見せましたが、すぐに
凛々しい表情へと戻り、話を続けます。
「次は他の町と交流を深め、同志獲得のために行動を起こすことについてよ。
あたし達の村、ブゼムラティックは、村長も含めて285人よ。
正直なところ、この人数だけでは戦いを勝ち取ることは難しいわ。
それで、他の町との交流を深めて、同志を獲得し、戦線を広げていきたいと思うけど、どうかしら?」


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