名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

もともと、村の予算を決めるのも年に二度のことだったので、村民にとっては何ら問題のないことだったのです。
かおり様は、いよいよ最後の議題に入ります。
「次は、資金の管理方法について、だけど…
まず、資金を如何にして獲得するか、というところから始めないといけないわね」
これは、非常に悩ましい問題でした。
兎にも角にも、まずは先立つものを獲得しなくては、大きな行動へと移ることが出来ないからです。
そして、かおり様は苦渋の選択をすることとなったのです。
「悔しいけど、暫くの間は、資金にゆとりのある同志からの資金援助を受けて、それを上手に使ってにやり繰りするしかないわ…」
会議室に、沈痛な空気が流れます。
そして、全員がコクリと頷き、同意をします。
「…ありがとう。
その資金は、黒色の薔薇戦線の方で適切に予算を組んで、大事に使わせてもらうけど、構わないかしら」
「はい」と全員が答えます。
「ありがとうね。
あたしと、れおなちゃん、なおみちゃん、村長の四人の資金をもって、まずは最初の予算を組むわ。
みんな、いいかしら?」
三人とも、それぞれ個々にそうするつもりだったので快くその提案を受けました。
その結果、455万クローネが集まりました。
「意外と集まったわね…。
郊外に、それなりの邸宅を構えられる金額ね」
かおり様は、そう呟くと大事に金庫へと資金を収めました。
「これで、戦えるわ…!」
こうして、かおり様は会議の終了を宣告し、初の会議は無事に閉幕したのでした。


第一章の目次に戻る
次のページヘ33b