この教育内容を理解せぬまま訓練を行っても、何のための訓練なのか、どういった効果があるのかと
いうことが分からなくなってしまうので、彼女たちは不安を抱えたまま訓練を行うこととなってしまうのです。
一通り、丁寧ながらも簡単な内容説明を行った後、ついに、彼女達に専用の小銃を渡す時が来ました。
「今は武器が不足してるから、ちょっとマチマチになってるけど…
基本的には変わりがないから、安心してね。
あと、取り扱いには厳重に注意しなきゃダメだよ」
そう言いながら、れおな様は一人ずつマンリッヒャーM1895やGew71など、村長達が裏のルートを用いて買収した小銃を渡していきました。
「思ってたよりも、重いね」と、訓練兵達は口々に言いながら、興味をもって小銃を触ります。
その様子を注意深く見守りながら、れおな様は訓練兵達に指示を出します。
「それじゃあ、さっそく行軍訓練をしてみようか。
会議室までの上に、軽装という本当に短い行軍訓練だけど、最初の大事な一歩だからね」
そういうと、れおな様は訓練兵達に、二列に並ぶように命令を出します。
オロオロしながらも、訓練兵達は何とか二列に並びます。
その並び具合を確認し終えると、れおな様はGew71を右肩に担ぎ、自ら手本を見せます。
「ほら、こんな風に小銃を担ぐんだよ。
みんな、やってみて!」
れおな様も、ハラハラしていました。
スポーツ大好きな、なおみ様や、かおり様なら、こういうことは簡単にやってしまえそうなことですが、研究家肌の
れおな様にとっては、不慣れの連続です。
しかし、それはここにいる訓練兵達も同じですし、何よりも指導者として、適切な指示を出さないといけないのですから
弱音を吐いている暇なんてものはありませんでした。
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