名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「待ってたわよ、もう…」
なおみ様は、大量の荷物を抱えていました。
「あら…?
その荷物は何かしら?」
かおり様は玄関に向かい、なおみ様の持つ大量の紙袋と、馬に牽引された数々の木箱に目を向けます。
「にひひ…♪
はい!」
なおみ様の持つ大量の紙袋、それは…ヘレナちゃんのところで買った、美味しいパンでした。
かおり様はすかさず、なおみ様の頭にチョップを見舞います。
「ひぎゃ!?
も~、かおりちゃん~」
頭を両手で抱えると、なおみ様は涙目で、かおり様に抗議の意思を示します。
「な・お・み・ちゃ・ん!!!
貴女、何しにスェーチェまで行ってたのよ!?」
かおり様は右手の握りこぶしをプルプルさせながら、こめかみをピキピキさせています。
「ふぇ~!
かおりちゃん、落ち着いて…!
なおみ、ちゃんとお仕事してきたんだからー!」
そういうと、大量の紙袋の中から一つだけ、何やら重さが違うものを取り出しました。
「はい、これ!」
かおり様は、まだ少しイライラしながら、その紙袋の中身を取り出します。
それは、スェーチェで結んだ協定の書類でした。


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