名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

かおり様は書類を手に取り、一枚ずつ内容を簡単に見ていきます。
「にひひ~♪」
なおみ様は自信たっぷりの表情をしますが、かおり様に弁慶の泣き所を蹴られて悶絶する羽目になりました。
「なおみちゃんは、普段はいい子なのに。
ちょっと、テンションが上がるとすぐこれなんだから…」
表情を変えずに、かおり様は言いました。
「でも…本当にお疲れ様。
ただ遊びに行ってた訳じゃなさそうね」
大量にある書類に簡単に目を通しただけですが、それだけでも如何に効率のいい協定を結んだのかが分かりました。
武器弾薬の輸送手段から、兵の維持と拡充、食糧問題…
それらの問題が、一挙解決する目処が立ったのです。
「と、当然だよ、かおりちゃん。
さっそく、補充用の弾薬だって運んできたんだよ」
馬車で運ばれてきたものは、全て補充用の弾でした。
「ありがとう、なおみちゃん。
感謝するわ」
かおり様は、優しく、なおみ様を抱きます。
ちょっぴり顔を赤らめて、なおみ様も抱き返します。
「次からは、毎月15日に定例会議をするって決まりになったよ。
…また、なおみに命令してね、かおりちゃん」
なおみ様は、かおり様の胸元に顔を埋めながら言います。
「えぇ、もちろんよ」
なおみ様の髪を優しく撫でながら、かおり様は答えました。
「約束だよ、かおりちゃん」
なおみ様は、顔を埋めたまま言います。
「えぇ、約束よ」
「にひひ…♪
ありがと、かおりちゃん」
自分の頑張りを認めてもらえて、なおみ様は顔を胸に埋めたまま、モゾモゾとします。


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