名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「何でしょうか、なおみ様?」
「絶対に、失敗しないでよ?
ヘレナちゃんの采配一つで、黒色の薔薇戦線の未来が決まるんだから。
失敗は、許されないよ?」
なおみ様は、真剣な眼差しでヘレナちゃんを見つめながら、ゆっくりと言い聞かせるように言いました。
そして、もう一つ。
これは実質上の、ゴーサインでもありました。
「はい、お任せください」
ヘレナちゃんも、なおみ様の意図を汲み取り、いつにも増して冷静な声で返事をしました。
なおみ様は、その様子をみて一つ頷きました。
「次は女王通信についてだけど」
なおみ様は、次の議題へと変えます。
「それについてだけど、私に全てお任せ願えないでしょうか?」
ヘレナちゃんが声を上げます。
なおみ様が答えます。
「出来るのかな?
それに、それをするにも、かおりちゃんの許可がいるよ?
かおりちゃん、こういうの好きだし、全部っていうのは期待しない方がいいよ」
ヘレナちゃんは、少し残念そうな表情をしました。
ヘレナちゃんもまた、こういう職務をやってみたいと思っていたのです。
「そう…ですか」
「あまり落ち込まないで、ヘレナちゃん。
普通に考えて、かおりちゃんが全部を書き上げるというのは無理だから、多分6~7割ほどは、ヘレナちゃんが
自由に書くことが出来ると思うから」
それを聞いて、ヘレナちゃんは少し安心しました。


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