名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「い、いいいいよ、ヘレナちゃん、謝らなくったって!」
「ですよね。
私らしくないし…」
ヘレナちゃんは、少し照れくさそうに舌を出しながら、返事をします。
ちょっぴり、微笑ましい空気が会議室に流れました。
「ったくもう…
でも、ヘレナちゃんの頑張りは、かおりちゃんもしっかりと見てくれてるから。
どんどん前に進もうっていう姿勢は、ヘレナちゃんのプラスポイント何だから、自信を持ってていいと思うよ」
実際に、かおり様の中でのヘレナちゃんの評価は、とても高いものでした。
だからこそ、スェーチェ内での黒色の薔薇戦線の構成員を管理する権限も与えられていますし、今後も勢力拡大に伴って、その
権限はますます大きくなっていくことでしょう。
「はい…!」
ヘレナちゃんは、元気に答えます。
その後、弾薬の補給経路の改善案や、組織の拡大方法についての具体的な検討を行い、これら全ては
即日実施に移されることとなりました。
また、新たに参加した同志21名の内、11名を義勇隊としてブゼムラティックへと派遣し、第一旅団へと
編入されることも決定しました。
こうして会議は閉幕を迎えました。
会議が終了して店から姿を表した、なおみ様の両手には例の紙袋がたくさんあったということは言うまでもありません。
いつしか、なおみ様は他の店員からこう呼ばれることとなっていました。
『もぐもぐ外交官』と。


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