名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「なーにー、かおりちゃん?」
「れおなちゃん、貴女これ作れるかしら?」
かおり様は、れおな様が大事に抱えているマンリッヒャーM1895を指さします。
れおな様は当惑しました。
「えっと…これ…?」
れおな様は、手に持っている小銃を持ち上げます。
「えぇ、それよ」
かおり様は、さらりと言いました。
「さすがに、れおなでも無理だよ…
設計図もないし、材料も工場もないよ?」
「そこを何とかお願いしたいのよ…
予算は、たっぷりつけるから」
かおり様の考えた案は二つありました。
一つは、小銃を分解して、そのパーツ一つ一つ、海外にある工場へとそれぞれに送り届けます。
パーツを製造してもらえたら、ブゼムラティックで完成のための作業を行うというものです。
もう一つは、これを良い機会と捉え、マンリッヒャーM1895のコピー銃をブゼムラティックにて製造するというものです。
今、かおり様が無理を言って、れおな様へとお願いしているのは、このブゼムラティックにて製造するという案です。
「お金がいくらあっても、技術が無いんだから、どうしようもないよ…」
れおな様の言うことは、もっともでした。
こればかりは、どうしようもありません。
「うーん、そう…
それじゃあ、技術者をどこかで見つけないといけないわ…
れおなちゃん、何かいい子を知らないかしら?」
「ふにゅぅ…
れおな知らないよ…
…そうだ、れおなと…なおみちゃんで、お出かけして探してこようかな」
「えぇ、お願いね」
れおな様と、なおみ様は、さっそく出発の準備にとりかかりました。
れおな様が技術者獲得のために街へと出かけている間の訓練は、かおり様とシャールカちゃんが担当することとなりました。
「これで、何とかなるかしら…」
かおり様は、少し不安に思いながらも、事務へと戻るのでした。


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