「何でしょうか?」
クリスティナちゃんは、自分が何か悪いことをしてしまっていたのだろうかと、少しハラハラしています。
「軍楽隊を編成するわ。
部隊長は、クリスティナちゃんね」
顔色一つ変えず、かおり様はクリスティナちゃんに命じました。
「えぇ…!?」
クリスティナちゃんは、驚きます。
無理もありません、突然に呼び出されて、軍楽隊の編成を命じられ、そして、軍楽隊の部隊長も同時に命じられたのですから。
「クリスティナちゃん以外にも、村で楽器に触れている子はいるでしょ?
その子たちを集めて欲しいわ。
あと、これはなるべく早くお願いするわね。
出来る限り、逐次報告をお願いするわ」
命令された瞬間は、とても驚きましたが、今はそうも言ってられません。
かおり様から直接命令を与えられるということは、とても光栄なことなのですから。
クリスティナちゃんは元気よく「はい!」と答えました。
「それじゃあ、よろしく頼むわね」
かおり様は、さっそく編成に向けて駆けて行くクリスティナちゃんを見送ると、ぽつり呟きました。
「ほんと、いい子ね…♪」
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