「んふっ♪
よろしく頼んだわ、れおなちゃん。
…さてと」
かおり様は再び椅子に腰掛けると、いつもの表情へと戻りました。
「明日、小銃の製造について会議をするわ。
新しく加わってくれた技術者の同志に、小銃を製造するために必要なものとかを聞かないといけないし」
なおみ様と、れおな様は「了解だよ、かおりちゃん!」と元気に返事を返します。
「ヘレナちゃんには今からスェーチェに戻って、女王通信の記事作成を再開してもらうわね。
いつまでも、書き溜めておいた記事を掲載する訳にもいかないでしょうし」
今件の任務で、ヘレナ様は独断で出動していました。
そのため女王通信の記事は、ヘレナ様が空席の間は、ずっと書き溜めておいた記事を掲載し続けていたのでした。
しかし、その書き溜めておいた記事も、残りが僅かになってきているのです。
ヘレナ様も普段通り…いえ、少し成長したような表情をもって「はい、かおり様」と返事をしました。
「えぇ、よろしく頼んだわよ」
四人のお嬢様は明日に備えるため、かおり様の家を出ていきました。
自分と一匹だけになった家で、かおり様は少しくつろぎます。
「ふぅ…。
…ねぇ、クズ犬」
かおり様は、足元にいるクズ犬を呼びます。
「なんでしょうか、かおり様」
クズ犬は見上げながら答えます。
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