名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「あたし、ちょっと安心したら眠くなってきちゃったわ。
ふわぁ…」
他のお嬢様には、決して見せないような大あくびでした。
かおり様は、れおな様と、なおみ様がプラハへ向かったとき、少しだけですが心配な気持ちになっていたのです。
そのお嬢様たちが、今日、無事に仲間を連れて戻ってきた。
それだけで、もうとても嬉しかったのです。
たしかに、任務は途中で終了となってしまいましたが、不測の事態が起きてしまっては仕方がありません。
ここで誰かに不幸が起きてしまっては何にもならなくなってしまう上に、勢力を着実に広げていく手段としては適切な判断だったのです。
「おいで、クズ犬。
ちょっと、一緒にお昼寝でもしましょ♪」
クズ犬はとても幸せそうに「はい、かおり様!」と言いました。
かおり様の隣は、とても暖かくて、いい香りがするのです。
そして、何よりも大好きな、かおり様に抱きしめてもらえるのが幸せなのです。
かおり様はクズ犬を抱き上げると、そのままベットへと入りました。
「おやすみ、クズ犬」
「おやすみなさい、かおり様…」


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