名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

昼。
かおり様の自宅。
かおり様の他に、幹部の少女たちと一匹のオス犬がすし詰めとなっていました。
なぜ無理して自宅にてパーティーを開くことになったかは分かりません。
かおり様は、カピトリーナ様が十八日にブゼムラティックへ来るということを、ヘレナ様へ
パーティーが開かれる前に伝えておいて正解だと思いました。
そうでなくては、とてもじゃありませんが、伝えられるような環境ではなかったのです。
周りを完全に無視して、ひたすらモグモグしている、なおみ様。
何をやらかしたのか、はたまた、完全にオモチャとして扱われているのか、乱入してきた第一旅団の少女たちに
ボコボコにされて倒れているクズ犬。
酔った勢いで、ミレナ様に襲われそうになっている、れおな様。
(あながち、れおな様も嫌そうではないですが…)
『ハッピバースデートゥーユー』をラッパで演奏するクリスティナ様。
共にギターを弾き鳴らすヤナ様、そして軍楽隊の少女たち。
クラッカーをオモチャにして遊ぶ子、こともあろうか、かおり様の部屋で酔い倒れ、嘔吐する子…
部屋はさながら地獄絵図のようでした。
しかし、ヘレナ様への伝達と確認が既に完了しているにも関わらず、かおり様は部屋の掃除ではなく、別件のことで夢中になっていました。
なおみ様に奪われる前に確保した、巨大なデコレーションケーキの一部をパクパクしながら、ヘレナ様との
討論に完全熱中をしていたからです。
その内容は、至って庶民的なものでした。


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