名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「パンにチーズは必要だわ!
どうしてチーズパンの生産を少なくしたのよ?
もっと、堂々と販売すべきだわ!」
かおり様は、フォークを片手にチーズの重要さを力説します。
しかし、ヘレナ様は動じず反論します。
「チーズは日持ちが悪く、更に保管も難しいのです!
そのような取り扱いの難しいパンを棚に多く並べることは、経営論の見地から見て、不適切です!」
「いいえ、そんなことはないわ!
アツアツのパンの中に…トローリと蜜のように垂れるチーズ…
まさに、人民の朝食とデザートを兼ねる、革命的食品よ!」
ビシッとフォークを前に突き出し、いつ最高指導者として命令が下されてもおかしくはない
オーラを放ちながら、かおり様は言いました。
その目は、本気です。
「貴女は…分かっていないのです!
チーズが如何に腐りやすいのかを…!」
しかし、対するヘレナ様も、普段は見せないような凛然たる態度で返します。
「そこを何とかするのが、貴女の仕事でしょ!?」
かおり様は、フォークで雑にケーキを取ると、大きく口を開けてパクリと食べました。
「元から腐ってるチーズが更に腐るのです!
これを何とか食い止めることは出来ません。
私は…腐ったものを人民に食べさせたりはできません!」
「人民の友チーズを…よくも腐った腐ったと連呼できるわね…!」
ついに殴り愛…もとい、殴り合いへと発展しました。
こうして日が沈む頃には、幾人もの幹部の少女や、兵士の
女の子たちが重なりあって、スヤスヤと力尽きて眠りこけてしまいました。


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