名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「そう、それは良かったわ。
実はね、なおみちゃん。
なおみちゃんには、早く前の担当と同じ連絡係りに戻って欲しいのよ。
だから、シャールカちゃんの訓練を何が何でも十月一日までには完了させて、なおみちゃんの代わりに
訓練指揮官に任命したいのよ。
今月分の定例会議は、あたしが行くけど…
いつまでも、そうはしてられないのよね…」
かおり様は、少し安心しながら言いました。
「了解だよ、かおりちゃん。
なおみに任せてね」
なおみ様はニッコリして答えました。
この会話を聞いて、ハナ様は驚きます。
「え、えっ!?
ハナ、連絡係りクビになっちゃうのー!?」
「違うわよ、ハナちゃん。
黒色の薔薇戦線はもっと躍動的に活動していくのよ。
そのためには、海外にも工作員を配置して、同志を増やしたり、現地の左派勢力を強化する必要があるのよ。
今はヘレナちゃんがネットワークを活かして、いろいろと頑張ってくれてるけど…
それだけじゃダメなのよね。
ヘレナちゃんの持つネットワークを更に活かすために、そのネットワークを使って
効率良く工作員に指令を送る指揮官が必要なのよ。
ハナちゃん、あたしが何を言いたいのか…分かるわよね?」
ハナ様は、一瞬何を言われているのか分からなくなりました。
もはや、ただの抜擢の話ではありません。
大抜擢されたと理解されるまでに、少し時間がかかることになったのです。


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