名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

「さぁ、おかけになって」
かおり様は、二人に椅子を勧めました。
カピトリーナ様とダリヤ様は「ありがとう」と言うと、椅子に座ります。
そして、本題を切りだしてきました。
「同志かおり、君に話があるんだ」
カピトリーナ様は、かおり様の顔を見ながら言います。
「えぇ、そうでしょうね。
あたしも、話があるのよ」
かおり様も返します。
「ボルシェビキと同盟を組んでくれないかい?」
「黒色の薔薇戦線と同盟を組んでくれないかしら?」
同時に言葉を発し、そして一瞬の沈黙。
家の中は静まり返り、カピトリーナ様がクスクスと笑い始めます。
かおり様も少し驚きながらも、頭の中をすぐに整理し終えると同時にクスクスと笑います。
そして家の中は笑い声で溢れかえりました。
「なんだ、君も同じことを考えていたのかい」
カピトリーナ様は、とてもご機嫌です。
「ほんと、ビックリしたわ。
まさか、貴女から同盟を案内してもらえるなんて」
かおり様とカピトリーナ様が笑い終えると、すぐさま同盟締結の書類にサインがされました。
1910年9月18日(日曜日)ブゼムラティックの、とても良く晴れた昼下がり。
この日、ロシア社会民主党ボルシェビキ派と、黒色の薔薇戦線の間にて、秘密裏に同盟が締結された瞬間でした。


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