かおり様は、急いで家へと駆け出して帰宅し、クズ犬を呼びます。
「クズ犬!」
クズ犬はベットの下で寝ている「振り」をしていました。
クズ犬は「はい、かおり様」と答え、ベットの下からノソノソと出てきました。
「あの子たち、変なことしてなかったかしら?」
ここは、かおり様の家であり、黒色の薔薇戦線の本部です。
隙を見て、変な行動を取っていなかったかということを見張らせる必要があったのです。
普段使用している会議室を使うことも考えられましたが、見張りを置くことに一苦労する上、魔術関連の
本が大量にあるので現実的な選択肢ではなかったのです。
「大丈夫でしたよ、かおり様。
お二人様は、とても礼儀正しく椅子に座っていました。
何も問題はありませんよ」
クズ犬はニッコリとして答え、そしてこう言いました。
「同盟締結、おめでとうございます、かおり様。
これで黒色の薔薇戦線は、更に前へと進むことが出来るのですね」
かおり様は、やや不安そうな表情でしたが「えぇ、そうよ、クズ犬」と答えました。
そして、もう一言付け加ます。
「この先どうなるかなんて、あたしには分からないけど…あたしはどんな困難にも打ち勝つわ。
あたしを信じてくれている仲間たちと人民のために、あたしはやり抜かないといけないのよ」
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