名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

女学生は、まだ体を震わせていました。
しかし、助かったことが分かると少しずつ事情を話し始めます。
「その…学校から帰っているときに、急に襲われて…」
「乱暴はされなかった!?」
マルタ様が、心配そうに聞きます。
「はい…
…その…えっと…」
女学生は、何か口の中でモゾモゾとしています。
「……?
何か、訳ありって感じだな。
言ってみなよ、聞いてやるからさ」
何かスッキリとしないものを感じ、ヴィェラ様が聞きます。
「そ、その…
私、少し変わった研究をしていて…
これは機密に触れることなのですが、私…銃器の設計と開発の研究チームのリーダーをしているので…
きっと、先程の彼らは、どこかの銃器メーカーに雇われた人たちだと思うのです。
だから、私の体じゃなくて、このカバンを…」
マルタ様とヴィェラ様は、互いに顔を見合わせます。
「じゅ、銃器の設計と開発!?
しかも、そのリーダーをしてるって!?」
ヴィェラ様は驚いて声を上げました。
「は、はい…
いわゆる、素人の研究チームなので大したことはないのですが…」
ゴクリと生唾を飲み、ヴィェラ様は賭けに出ました。
「なぁ、お嬢さん…
銃器の開発は好きか?」
急な言葉に、女学生は少し負い目を感じながら返事をします。
「は、はい…
すみません、私…やっぱり変ですよね…」
「いや、違うんだ。
ちょっと、相談に乗ってくれないか?」


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