女学生は、まだ体を震わせていました。
しかし、助かったことが分かると少しずつ事情を話し始めます。
「その…学校から帰っているときに、急に襲われて…」
「乱暴はされなかった!?」
マルタ様が、心配そうに聞きます。
「はい…
…その…えっと…」
女学生は、何か口の中でモゾモゾとしています。
「……?
何か、訳ありって感じだな。
言ってみなよ、聞いてやるからさ」
何かスッキリとしないものを感じ、ヴィェラ様が聞きます。
「そ、その…
私、少し変わった研究をしていて…
これは機密に触れることなのですが、私…銃器の設計と開発の研究チームのリーダーをしているので…
きっと、先程の彼らは、どこかの銃器メーカーに雇われた人たちだと思うのです。
だから、私の体じゃなくて、このカバンを…」
マルタ様とヴィェラ様は、互いに顔を見合わせます。
「じゅ、銃器の設計と開発!?
しかも、そのリーダーをしてるって!?」
ヴィェラ様は驚いて声を上げました。
「は、はい…
いわゆる、素人の研究チームなので大したことはないのですが…」
ゴクリと生唾を飲み、ヴィェラ様は賭けに出ました。
「なぁ、お嬢さん…
銃器の開発は好きか?」
急な言葉に、女学生は少し負い目を感じながら返事をします。
「は、はい…
すみません、私…やっぱり変ですよね…」
「いや、違うんだ。
ちょっと、相談に乗ってくれないか?」
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