名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年10月5日(水曜日)
ブゼムラティック、昼。
黒色の薔薇戦線の会議室。
天候、曇。
今日は予算会議最終日で、同志を増やす方策についての具体的な目標と
その方法に関して話し合いが行われました。
かおり様は来年の十月までに、構成員五万人を突破させるよう、ヘレナ様とハナ様に厳命しました。
二人のお嬢様は、顔を真っ青にして「それは無茶です」と言いましたが、かおり様は聞き入れません。
約半年間で、やっと2000人になったところなのです。
それを一年で五万人へと伸ばすのは、正気の沙汰ではないように思えたのです。
しかし、かおり様が定めた五万人という数字には、しっかりと意味があったのでした。
かおり様が定めた五万人というのは、組織が発展するための原動力として、最低限必要とされる人数なのです。
その発展の中には、表の組織「チェコ労働党」を設立することも考えられていて、これは会議が終了次第、直ちに設立されることとなっています。
問題は、構成員の確保と、裏の組織である黒色の薔薇戦線との人事管理です。
表のチェコ労働党は、黒色の薔薇戦線では行いにくい構成員の募集などを行い、同時に傀儡化させたチェコ社会民主党党員と議員を将来的には
受け入れる予定があるので、その受け皿としての働きも期待されています。
一方の黒色の薔薇戦線は、実力行使や工作活動、軍事に関わる研究などを役割として担うこととなります。
かおり様は、ヘレナ様とハナ様と慎重に話し合い、解決策を導き出しました。
それはとても大胆で、かつ危険が伴うものだったのです。
その解決策とは、チェコ労働党の支部を一気に全国へと展開し、そこから募集をかけるというものでした。


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1910年10月5日(水曜日)