1910年10月7日(金曜日)
ブゼムラティック、かおり様の自宅。
天候、晴れ。
かおり様は予算会議の結果を纏め、予算の配分についての事務仕事に追われていました。
そんなとき、かおり様の自宅のドアを叩く音が聞こえてきました。
「もう…誰かしら?」
かおり様が席から立ち、ドアを開けてみると、なおみ様が新聞を手にしてそこに立っていました。
「かおりちゃん!
ポルトガルで革命がおきたよ!
王政がぶっ倒れて、ポルトガル共和国が誕生したよ!」
「軍部はどう動いてるのかしら?」
「みんな、革命に賛同しているみたいだよ」
なおみ様は、とても興奮気味に話しながら、かおり様に新聞を手渡しました。
「そう…なるほどね。
うん、とてもいい流れだけど、同時に政府側の目も厳しくなりそうね。
ここをうまく動けば…流れをうまく生かさなきゃ」
かおり様は新聞を読みながら呟きました。
「だよね、かおりちゃん。
なおみ達も、置いてけぼりにならないようにしなきゃ!」
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