名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年6月2日(木曜日)
午前六時。
村の中央広場から、突如起床ラッパが鳴り響きました。
椅子に座りながら、うたた寝をしていた、かおり様と、中央広場の近くに家がある、れおな様
は飛び起こされます。
「あ、あれ!?
れおな、クリスティナちゃんに夜間にラッパの訓練なんて命令してたっけ!?」
とにかく、本人から話を聞こうと、二人のお嬢様は中央広場へ向かいます。
向かう途中で、かおり様は大事に小銃を抱えた新兵の
女の子達から「おはよう御座います、同志司令官様!」と敬礼を受けました。
同じように、れおな様もまた、短距離ながらも数人から敬礼を受けます。
れおな様が、かおり様よりもやや先に到着し、クリスティナちゃんから事情を聞くことができました。
「く、クリスティナちゃん!」
当の本人は「どうかなされましたか?」といった具合に、何も気づいていません。
「クリスティナちゃん、どうしてラッパ吹けたの!?」
新兵とはいえ、ラッパ手に対して「どうしてラッパ吹けたの?」という質問も、また
おかしなものですが、とにかく答えが知りたくて仕方ありません。
「えっと、それは…ですね…」
クリスティナちゃんは、少し恥ずかしそうな顔をします。
事情は、こういうものでした。


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1910年6月2日(木曜日)