1910年6月3日(金曜日)
スェーチェの朝。
なおみ様は、一日半ほどの時間をかけて現地に到着を果たしました。
クタクタになった身を休めるために、なおみ様は小さな旅館で宿を取り、そこで目を覚ましたのです。
「ふわぁ…よく寝た」
なおみ様はベットから上体を起こすと、うんと体を伸ばしながら大あくびをしました。
「えっと、パン屋さんだったけ」
もぞもぞと、ベットから起き上がって着替えをしながら、なおみ様は呟きます。
「待ち合わせの時間までは、まだあるけど…早く行かなきゃ」
出発の支度が終わると、指定されたパン屋さんへ向かって出発します。
目的地のパン屋さんまでは、それほど距離がありません。
旅館を出ると、眩しい朝焼けが、なおみ様を歓迎します。
「今日もいい天気だね」
なおみ様は、ちょっぴりご機嫌になりながら、パン屋さんを目指します。
ほんの数分で着く距離でした。
村とはいえ、ブゼムラティックと比べれば、かなり大きな村だったこともあってか、大きな街で見かけるような
大きさの、それはもうとっても立派なパン屋さんでした。
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