名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年8月2日(火曜日)
昼のスェーチェ。
ヘレナちゃんのパン屋さん、その地下室。
今日は、ヘレナちゃんの誕生日です。
ヘレナちゃんは、大好きな側近の同志たちに囲まれて、ニコニコとしています。
この日、チェコ社会民主党への工作活動も順調に進んでいて、嫌な顔をしなければいけない理由なんて、一つもなかったのです。
側近の同志たちは、ヘレナちゃんの座っている机の前に、美味しそうな果物を並べていきます。
このときばかりは、ヘレナちゃんも年相応に喜んでいます。
「お、おいしそう…♪」
ヘレナちゃんは、ドキドキしながら目の前に並べられる果物をじっと見ています。
全ての果物が並べられると、同志たちは「お誕生日おめでとう、同志ヘレナ様!」と拍手をしました。
ヘレナちゃんは「ありがとう、みんな!」と言い終わるやいなや、果物をパクパクと食べ始めました。
8月2日。
ヘレナちゃんの幸せ一杯な一日でした。


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1910年8月2日(火曜日)