名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年8月23日(火曜日)
ブゼムラティック、昼。
「大韓帝国…?
あぁ、あそこね」
かおり様は、日韓併合が行われたことを知りました。
大韓帝国という国は、この世から消え去り、日本の領土となったのです。
「モタモタしてるから、こういうことになるのよ」
かおり様は、新聞を閉じると頭を切り替えます。
黒色の薔薇戦線は順調に組織を拡大し、構成員が千人を超え、第一旅団は三百人を越す大御所となってきたのです。
ここでまた、新たな問題が浮上してきました。
「人員が増えたのはいいことだけど…
装備が間に合わないわ」
人員と兵士が増えれば、当然それに合わせて装備を整えなくてはいけません。
こうなってくると、もはや旧式の装備を持ってきても足りなくなってきます。
そこで、かおり様はある大胆な方策を考え出しました。
「仕方ないわ…
ないなら、作るしかないわね」
ここで、かおり様はメカニックに詳しい、れおな様を呼びに玄関を出て練兵場へと向かいます。
「れおなちゃーん!
ちょっと、来てー!」
れおなちゃんは訓練兵の監督を中断し、たったったっと、かおり様の下へ駆け寄ります。


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1910年8月23日(火曜日)