1910年8月25日(木曜日)
ブゼムラティック、正午。
クリスティナちゃんは、何とか楽器を演奏できるメンバー六人を集めてくることが出来ました。
そして今、かおり様から各種説明を受け終わったところです。
「貴女たちの任務は、とても重いものよ。
同志たちの士気を高め、恐怖に打ち勝つ力の源とならなければならないんだから」
新設された軍楽隊のメンバーたちは、緊張した面持ちで説明を聞きました。
かおり様は、さっそく軍楽隊のメンバーに指示を下しました。
「さっそくだけど、貴女たちにしてもらいたいことがあるのよ」
かおり様は、レコードを流します。
それは第一旅団の元となる曲『Tramp, Tramp Tramp!』でした。
「貴女たちに、この曲を演奏してもらいたいのよ。
出来れば、すぐにでも…」
ちょっぴりワガママを言っていることを自覚しながら、かおり様は言いました。
「かおり様、その曲でしたら、ギターでなら弾くことができますよ?」
一人の隊員が声をあげます。
「うん、それじゃあさっそくだけど、お昼が終わったら演奏をお願いするわ。
貴女の名前は?」
「はい!
ヤナ・チャペクです!」
隊員は…ヤナちゃんは元気よく返事をします。
「ヤナちゃんね。
後でよろしく頼むわよ♪」
かおり様は、他の女の子の名前も聞いて行きました。
みんな、元気一杯のいい子たちです。
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