1910年8月29日(月曜日)
朝。
プラハ工業地帯、天候晴れ。
れおな様たち一行は、プラハでの活動を開始していました。
「ふにゅぅ…
それにしても…すごく都会って感じだよね、なおみちゃん」
れおな様が目をキョロキョロとさせながら言いました。
周りにあるのは、小奇麗な店と新建された工場ばかりで、いかにも都会らしさを強調するようなものばかりです。
「だよね、れおなちゃん…」
なおみ様も、れおな様の手を握りながら同意します。
少し見ただけだと、まるで不慣れな都会での活動で戸惑っているように
見えるかもしれませんが、実際のところはそうではありませんでした。
プラハでの活動の滑り出しは順調で、このとき既に、銃器関連工場での勤務経験のある
同志を二名、工業用機器に含蓄のある同志を一名仲間に加えているのです。
この勇気を持って新たに仲間として加わってくれた同志たちは、前もって潜入させておいた同志に
よって早急にリストアップされており、れおな様はその同志からの報告とリストによって行動を起こし、着実に仲間を増やしているのです。
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