名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年8月31日(水曜日)
ブゼムラティック、昼。
本部に帰還した五人のお嬢様は、かおり様に任務の成果報告をしています。
かおり様は黙って聞いていて、うんうんと頷いているだけです。
報告はどんどん進み、例の少女『ミレナ・マイヤー』様についての説明に入ります。
ミレナ様は、れおな様の影に隠れて、ほんの少し身を震わせています。
その光景は、かおり様の目にも映っているはずですが、全く興味を示していないようです。
説明が進むにつれて、ヘレナ様の口調が少し厳しくなってきていますが、かおり様はそれも気にしていません。
先程の報告と全く同じく、うんうんと相槌を打つだけです。
「以上で、報告と説明を終わります」とヘレナ様が報告の完了を告げました。
かおり様はただ一言「ご苦労様」とだけ仰られました。
ヘレナ様は、やはりミレナ様のことについて納得が未だについていないようで、かおり様に直接話しを切り出します。
「かおり様、少し宜しいでしょうか?」
「何かしら、ヘレナちゃん」
ミレナ様は更に怯え、れおな様のお洋服をギュッと握り締めます。


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1910年8月31日(水曜日)