名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年9月10日(土曜日)
ブゼムラティック、昼。
雨。
かおり様は、いつものように事務を行っていました。
「黒色の薔薇戦線に参加してくれている同志は、今現在合計二千人…
正規軍が六百人で、即応予備兵力が三百人…
順調だけど、まだまだ足りないわ。
同志獲得のために、みんなにはもっと頑張ってもらわないと」
結成後、順調に勢力を伸ばしている黒色の薔薇戦線ですが、かおり様はまだ力不足と考えていました。
「これじゃあ、他の勢力にあっという間にやられてしまうわ。
もっと頑張らないと」
かおり様は、悩みました。
なんとしても多くの同志を獲得し、オーストリア帝国内での革命の主導権を握らなければ、みおり様の
理想とする国家「ミルティアナ」の建国は達成できません。
しかし、焦れば焦るほど、より目立つ行動を取らなければならなくなり、結果として政府側の人間の
目のつくところとなってしまいます。
このサジ加減が、とても難しいのです。
かおり様は、クズ犬に命令を出しました。
「ハナちゃんと、なおみちゃんを呼んできて」


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1910年9月10日(土曜日)