1910年9月18日(日曜日)
ブゼムラティック、昼。
快晴。
今日は、カピトリーナ様が来訪される日です。
かおり様は、魔術の勉強を更に進めながら、カピトリーナ様の来訪を待っていました。
「かおり様!
同志かおり様!」
かおり様の家の玄関を、激しく叩く音と呼ぶ声が聞こえてきました。
「ついに来たみたいね」
かおり様は呟きながら、ドアを開けに行きます。
カチャリと鍵を外して、ドアを開くとヤナ様が立っていました。
ヤナ様は素早く敬礼をし、報告をします。
「同志かおり様!
カピトリーナ様がお越しになられました!」
かおり様は、素早く指示を出します。
「すぐに案内して。
丁重に、失礼のないようにね」
ヤナ様は「はい、それでは直ちに!」と返答をすると、駆け足でカピトリーナ様のところへと向かいました。
指示を出し終えた後、かおり様は部屋へと戻り、魔術書をベットの裏へと隠します。
「…カピトリーナちゃんが見たら、きっと変人扱いされちゃうものね。
あたしも、最初はそうだったのだから…」
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