名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

1910年9月19日(月曜日)
ブダペストの昼、晴れ。
マルタ様とヴィェラ様は、ブダペストでの工作活動に専念していました。
マルタ様は、黒色の薔薇戦線に参加した銃器製造職人です。
可愛らしい銀の縁をしたメガネをかけていて、高飛車の背の低い女の子で、職人らしいく紺の服装をしていて身体つきはほっそりとしています。
しかし、髪は何故か薄ピンクのツインテールと少し派手な感じです。
ヴィェラ様は、マルタ様と同じく黒色の薔薇戦線に参加した銃器製造職人で、マルタ様とは幼い頃からの友達であり親友で、故郷では
『爆弾姉妹』と呼ばれており、その名の示すとおりに危険物を製造しては、人々を傷つけないように気をつけながら驚かしてばかりいました。
このヴィェラ様は、短髪で男勝りな性格で、背が低めでマルタ様と同じメガネと服を着用し、その上に紺のツバつき帽子を被っています。
髪の色は薄紫で、肌は褐色と、如何にも技術者の少女といった風貌をしています。
「クッソー……
見つからねぇな」
路地裏で腰をおろしながら、ヴィェラ様は愚痴をこぼしました。
「ほんっと、そうよね…
設計技術者って、そうそういないものね。
でも、早く見つけないとお姉さまに怒られちゃうわ…!
なんとかしないと」
マルタ様も同じように腰をおろしながら言いました。
マルタ様の言葉に出ていたお姉さまとは、レナータ様のことで、マルタ様とヴィェラ様の上司です。
今回の任務を二人に託したのも、このレナータ様でした。


次のページヘ97b
1910年9月19日(月曜日)