1910年9月5日(月曜日)
ブゼムラティック、朝。
快晴。
この日、ブゼムラティック学校が開校しました。
まだ仮設状態ですが、大きな木造の二階建てで、多彩な研究に対応できるように
充実した設備と書籍、そして優秀な教授が揃っています。
その教授兼研究者の中には、れおな様も含まれていて、これに伴い第一旅団の
訓練指揮官は、なおみ様が担当することとなりました。
「ふにゅ、やっと出来上がったんだね♪」
れおな様は、学校を見てニッコリしています。
「これで、たくさん研究が出来るね…♪」
れおな様はいつも傍にくっついているミレナ様を抱き寄せて、とても嬉しそうです。
辺りは、クリスティナ様を筆頭とする軍楽隊が盛大なる演奏を行い、入学生を祝っています。
そんな中、入学生への演説を既に終えて自室で魔術の勉強をしている、かおり様の元に重要な連絡が届きました。
「同志かおり様、パリから連絡が届きました」
報告を行ったのは、マリア様です。
「パリ…?
どうして、パリから?」
かおり様はペンを止め、不思議な顔をします。
「はい。
パリにいたカピトリーナ様より連絡です。
『直ちに向かう』と」
かおり様の表情が固まります。
カピトリーナ・レーニン様とは、ロシア社会民主党ボルシェビキ派のリーダーだからです。
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