2012/11月某日。
○○の家にて…久しぶりの休日。
ここしばらくの喧騒が嘘のように、穏やかな朝。
「ふわぁ〜ぁ…」上半身を起こし、だらしなく大口を開ける。
さながら、餌をねだる野鳥のヒナのようだ。
…欲を言えば、もう少し眠っていたかったのだが…
………腹の虫が行動を促した。
残念ながら、俺がいくら鳴いても巣に親鳥は来てくれない。
…仕方がない、起きるとしよう。
もぞもぞと芋虫のように布団から這い出す。
…すると、時計の針がすでに11時を回っていることに気がついた。
どうやら、朝というには少し語弊があったようだ。
……だがまあ、どうせ今日は特に予定もない。
日がな一日ぶらぶらして過ごすのも、たまには悪くないな…
…などと考えていた矢先、
けたたましくドアを叩く音が家中に響いた。
来訪者は、どうやらチャイムの使い方を知らないらしい。
もしくはよほどの無作法者か。
……そんな人間に、ひとりだけ心当たりがある。
「はぁ…」
頭の中で描いたせっかくの休日が、ガラガラと音をたてて崩れていった…。