>同便となった修学旅行生が、駅のホームに焚かれた無数のストロボに目を丸くする。
「えっ誰、誰!?」。今度は、口が開く。光りの中から現れたのは全国大会の鬼、赤土晴絵。
晩成を完膚なきまでに叩きのめした名将だ。
晴絵これからの予定?自室で1人酒だ。
愛する日本酒と喜びに酔う。深酒ではない。一夜明けた顔で分かるだろ?
もう、私の眼は次のステージを見据えたファイターの目になっているからな。
明日からは、10年ぶりに全国の舞台へと上がる。
清澄か、白糸台か-。対戦相手はすぐに決まる。
ただ、清でも白でも、予選を無敗で制した阿知賀の牙に、ムシャムシャと食いちぎられるだけのこと。 そう言って監督は力強くガッツポーズを見せた。

然る後10年前の映像を見せると、鼻血を出しながら白目を剥いて気絶したのだった。