灼まずハルちゃんを具現化しようと決めてからはイメージ修行だね。
最初はハルちゃんのネクタイを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ。
それだけに飽きたらず、ハルちゃんの部屋に隠しカメラを仕掛けたり、目をつぶってハルちゃんのネクタイの触感を確認したり何百枚何千枚とハルちゃんを写生したり、ずーっとただながめてみたりなめてみたり、音を立てたり嗅いでみたり、ハルちゃんで遊ぶ以外は何もするなと(念の)師匠に言われたからね。
しばらくしたら毎晩ハルちゃんの夢を見るようになってその時点で実際のハルちゃんをとりあげられた。
そうすると今度は幻覚でハルちゃんが見えてくるんだ。さらに日が経つと幻覚のハルちゃんがリアルに感じられるんだ。重さも冷たさもすれあう音も聞こえてくる。
いつのまにか幻覚じゃなく、自然と具現化したハルちゃんが出ていたんだ。なんという記憶(メモリ)の無駄遣い…
晴絵の仇を討つため念能力を習得した灼はボウリングの球を操る操作系能力者と思わせているが、本命の能力はレジェンドを具現化する赤い伝説