…………、……はは。なんだ、ロマンチストだな?○○。
…でも、奇遇だな。
ちょうど今、俺も同じ事を考えてた。
さっきまで賑やかだったんだけどな。皆、雨宿りの為に室内に入っちまったんだろ。
逃げ遅れたのは俺達だけってことだ。
(……ほんとうは、小さな牢獄の様だと思った。
俺と○○、ふたりだけの。)
(そんな事を言ったら、引かれちまいそうだし……
○○が言うロマンチックな言い回しに頷いて、少しの嘘をまぜて同意した。
世界にふたりだけ。それもいいな、なんて、笑いながら。)
…………すぐ止むかと思ったけど、なんか止みそうにねえな。
寧ろどんどん強くなってないか?
雲もどんどん厚くなってってる気がする…
(俺たちのこと狙って来てんのか?…って位、雨雲がどんどん集まって来ている気がする。
雨宿りして弱くなったら小走りでタクシー乗り場にでも行くかと思っていたけれど、それも叶いそうにない。)
…あー……ダメそうだな。
…………雷も鳴ってきた。
か、雷!?お、落ちるかな!?