…いえ、……お前には無関係の事です。いいからさっさと部屋に行きなさい。
(「でも、この先私の部屋くらいしかないですよ…?」)
…執拗いですね。
…………いいですか。お前の頭が非常に平和ボケしているようなので言いますが。
屋敷の中だからと言って安全とは限らんのです。鍵を掛けても窓を破れば入って来れる。
身を隠せる場所だって山ほどある。しかも今は夜、窓の外の様子は見え難い。
更には今、地下の牢屋には、敵国のアーサー・カークランドが捕虜として幽閉されている。
いつ何時敵が攻めてくるかは分からないのです。それをお前はこんな時間に一人武器も持たず丸腰でぼんやりしたあほ面でふらふら廊下を出歩いて、何を考えている。
ああ、何も考えていないのか。相当な阿呆ですね、本当に呆れます。
…さっさと部屋に戻りなさい。私がこうして見ているうちに。早く。
(背中を押されて自室に押し込められた。
………どうやら、護衛として着いてきてくれたみたいだ。
菊さんありがとう、と言おうとしたら、それに被せるようにさっさと扉の鍵を閉めろと怒られてしまった…)