(風邪、というものを、はじめて引いてしまった。
体がひどくだるいし、頭が痛いし、吐けないのに吐き気がする。喉も痛いし、声は掠れてるし、その掠れた声すら出そうとするとむせてしまう。一言で言うと、しんどい。きもちわるくて眠ることもままならない。)
ーー○○、大丈夫か?入るぞ。
(部屋に入って来たアーサーが、心配そうに私の顔を覗き込む。)
食欲はあるか?お粥持ってきたんだけど…
……レトルトなんだけどな。
作ろうとしたら、うん、なんか、全く上手くいかなくて……(目をそらし)
…はは、お粥なんてはじめて作ったからな…今度練習しとくよ……
(「食欲はな"い、けど、アーサーがもっできでくれだから食べる"……」)
ほんとか?うん、ひと口でも食べてくれると嬉しい。
やっぱ栄養とんねえと治るもんも治んねえからな。
(アーサーはお粥を掬い、ほら、と私に差し出す。ひとくちぱくりと食べると、あついお粥が体に染みる。おいしい、と思った。食欲はなかったけど、お腹は空いていたらしい。
もっと、と口を開けると、アーサーはくすっと笑った)
……なんか、雛に餌やってる気分だぜ。
食べ終わったら薬飲んで、水分取ってあとは寝とけ。
休み明けたら病院行こうな。
(頬にぴと、と手を当てられる。冷たくてきもちいい…。)
………風邪ひいたお前見て、不謹慎だけど少し、ほっとしたよ。
ほんとに、人間になれたんだなって…。
…良かった。
はやく治るといいな。
(なでなで)