…いや、さっき光ってから音が鳴るまで少し間があった。
まだ近くまでは来てない。大丈夫だろ。

…なんだよ、雷怖ぇの？

はは！お前って変なとこ度胸ある癖に、雷とか怖がんのな。
いやいや、いいと思うぜ？かわいいじゃねえか、Ladyらしくて。


(「絶対内心馬鹿にしてるでしょ…くそっ…怖くないし…ちょっとビクッてするだけだし……」)


ばーか、それを怖がってるって言うんだろーが。
はっはっは！


(からかうように言うと、恨めしそうに横目で睨んでくる。
まあ、正直少しだけバカにはしたけど、可愛いって思ったのは本当だ。…………などと、さらりと言える口でも無いのが俺の短所だ。ふざけながらなら、言えるのに。)


(雨が止むのを諦めて、タクシーを呼ぼうと電話を掛けるも、帰ってくる返答は
「2時間待ち」「1時間以上はかかる」──

……恐らく、俺たちと同じ事を考えるやつが多数いるんだろう。出遅れてしまった。)


2時間……2時間かー……こりゃ、止むのが早いかタクシーが来るのが早いか、だな。


うぇ～…もう諦めて走って行った方がいい気がして来た…そうじゃないともうここから出らんない気すらする…