どうして?決まってんだろ、お前が好きだからだよ。
好きな女が死ぬかも知んねえって状況だったら助けてやりたいと思うのが普通だろ?
他の男に触らせたくないって思うのだって普通だ。
…だったら、結論として俺の魂をお前にやるしか方法がないだろ。
いいよ別に。気にすんな。どうせ、俺は母国に帰ったってもう家族はいないし、友達だって大している訳でもねえし。
俺なんかの命でお前が助かるんならそっちの方がいい。
(あっけらかんとそう言い切る彼に、頭が追い付かない。
ーーーいま、私を好きって言った?)
…………なあ、お前は?
どうして俺を死なせたくないと思った?どうして俺の魂を奪えないと思ったんだ。
住ませてもらった恩があるからか?ただの情か?
……本当は怖くて仕方なかったくせに。腕を掴まれるだけで、目潤ませて震えて、俺が駆けつけた時、すげえほっとした顔するくらい…他の男なんか怖くて仕方無かったくせに……俺から魂を奪おうとしないで、他の男から奪おうと…そんなに必死に耐えてた理由はなんだよ。
…○○。
私も…アーサーが、好きだからに決まってるでしょ。だから、アーサーを死なせたくなんかなかったの…。