(紙袋の中身を覗き込むと、フランシスの笑顔が固まった)
(アーサーからの……お裾分けです……私のためと思って受け取ってください……)
……あ……アーサーからの……?
あ…そ、そっか、うん、り、理解した……お、お兄さんへの嫌がらせとかじゃなくてこれは君がお兄さんに助けを求めて渡してきたって事だよね?そうだよね?本当はお兄さんの事めちゃくちゃ嫌いなわけじゃないよね?
……
(もう1度紙袋の中を覗くと、フランシスがぶっ、と吹き出した)
っはは、やー、あの坊ちゃんが不器用ながらも一生懸命料理モドキやってんだなって思ったらおかしくなってきちゃった。
料理なんてしたことないくせに、……君の為に、かな?
ひねくれてる癖に可愛いとこあるよねえ、アーサーもさ。やっぱ恋をすると変わるものだね!羨ましいなあ。
…えっと、とりあえずこの…この黒い何かは置いといて!
お兄さんとマフィン食べよ?ねっ!さあさあ中にどーぞ。