名前:アーサー

スコーンの数172個目

撫でる!

(…………仕方ねえ。揉め事に顔を突っ込みたい訳じゃねえが、あれほど嫌がり泣き喚く女を見て見ぬ振りして帰ったあとAV見て楽しく抜ける気がしねえし。本当にただの痴話喧嘩なら、sorry!ははは~つってさっさと帰りゃいい。)


……あー、…おい、そこの二人組。
さっきから見てたが、なにを揉めてるんだ。

…Lady.警察呼んだ方がいいか?


(スマホを取り出して、通報するような素振りを見せる。男はスルーして、泣きじゃくる女にそっと声をかけた。
恋人同士ならば断られるだろうし、もしそうじゃないのなら…。
すると男が焦ったように彼女から腕を離した。)


「誘って来たのはそいつからだ!!なのに突然やっぱ無理だとか言い出しやがって!!お、俺はなにも悪くねえからな!!チッ、気分悪ぃ…!」

(そう言って、逃げるように走り去った。追い掛けた方がいいかと彼女に聞くと、小さく首を横に振る。泣き止む様子のない彼女に、大丈夫かと背中に手を添えようとした所で、改めて間近で見るスケスケの格好に伸ばした手を引っ込めた。)


…え…えーと、………さ、寒くねえか?

事情はよく分かんねえし……なんでその、そういう……格好してんのかもわかんねえけど……。
…今日は未明から雪が降るっつってたからな、そろそろ雪も降り出すと思うし…き、着替えとか持ってねえのか?あ、もしかしてその服装はさっきの男に強制されたのか?なら着替えも男が持ってたりとか……

あーー……い、いや、ここでぐだぐだ喋んのも寒いよな。


(コートを脱いで女の肩に掛けて、着けていたマフラーも外して女へと手渡した。きょとん、とした顔で俺の渡したマフラーを見つめる。)


そのコート、やるよ。もう捨てるつもりでいたから気にしないでくれ。買ったの何年も前だしな。
そのマフラーも安もんだし持ってってくれ。

交番、すぐそこの角にあるから1度行って相談した方がいいぞ、さっきの男のこととか…。その格好のままじゃ帰るに帰れねえだろ、事情話せばパトカーで送ってって貰えると思うから…
あー…一人で行けるか?


…大丈夫です。ありがとうございます