(夢の中で、夢を見る。ーー最近それが当たり前になって来て、現実と夢との境目が有耶無耶になってくる。
だって、私は目が覚めても夢の中なのだ。)
(夢の中でも、見る景色は一面の白。ここに来てから見る景色といえば真っ白な雪景色ばかりだから、その印象が強く残っているせいだろう。
真っ白な中。小さな男の子が雪で遊んでいた。私に気付いて、積み上げた雪山を足で踏み付けて崩す。にこりと笑った。)
ーーーさよならだね。
(……さよなら?そう首を傾げると、くす、と小さく笑う。)
うん。さよなら。
……もうじかんなの。
君はもう夢からさめなきゃ。
(男の子は手を伸ばして、私の首元に触れる。ひんやりと雪のように冷たい、小さな手。赤く残っている痕を優しく撫でられ、そこだけがじんわりとあたたかくなった。)
……この痕はもういらない。
君の世界にあっちゃいけないものだから。
つながりは全部消さなくちゃ。
この痕が消えたら、さよならの合図だよ。
……きみに会えたのは、ただの神さまの気まぐれかな。
ーーーでも。会えて良かった。
ぼくの側にいてくれてありがとう。
…きみに触れて、きみを抱きしめて…人間って、あったかいんだなって、思い出したよ。
……ぼくのだいすきな○○。
起きる時間だよ。
………Прощайте.
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